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【Blender #1】Blenderを用いたモデリングの考え方

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皆さんこんにちは!

このシリーズでは、全12回を通してBlenderを使った3Dモデリングとレンダリングの方法を解説していきます。初心者の方でも、手順を追うだけで3Dモデリングの基礎から応用まで学び、成果物を完成させることができます。

この記事シリーズを終える頃には、以下のような作品を制作できるようになります。

Blenderとは?

Blenderは、無料で利用できる強力な3D制作ツールです。3Dモデリング、アニメーション、レンダリング、さらには動画編集など多岐にわたる機能を持っています。プロフェッショナルから初心者まで幅広く使用されており、この記事では初心者向けに基本操作とモデリングの基礎をお伝えします。

モデリング対象の概要

今回制作するのは以下のようなアイテムです。これら一つ一つの要素を個別にモデリングし、最終的にシーンとして統合します。

  • シーシャ
  • グラス
  • 植木
  • スマホ
  • PC
  • Figmaロゴ
  • ライト
  • クッション

  • テーブル

これらの一つ一つを個別にモデリングし、複数のパーツに分解して作成します。たとえば、シーシャは「ボトル」「ボディ」「ホース」「吸い口」の4つのパーツに分けてモデリングします。

アウトライナー(右上のオブジェクトのリストのようなところ)を見ると、ボトルを親オブジェクト、その子オブジェクトとして他のオブジェクトが登録されている事がわかります。この様に親子関係を登録することで一つのシーシャというモデルとして扱っています。

基本操作の説明

Blenderの操作は大きく2つのモードに分かれています。

エディットモード :選択したオブジェクトの細部(頂点、辺、面)を編集するモード

オブジェクトモード :オブジェクト全体を移動・回転・拡縮するなど、シーンのレイアウトを管理するモードです。

テクスチャやモディファイアの登録は基本的にはオブジェクトごとに登録されるのでしっかりとパーツが別れているところは一旦オブジェクトモードに戻ってから作るようにしましょう。うっかり同じオブジェクト内で作ってしまうと、後で編集が困難になってしまいます。

オブジェクトの構造

Blenderで扱う3Dモデルは、主に メッシュモデル というデータ構造で作られています。

メッシュモデル :小さな三角形や四角形の面をつなぎ合わせて形を表現するモデル。内部は空洞になっています。

ソリッドモデル :実体を持つモデル(Blenderには非対応)。

ここで大事なことはメッシュモデルは表面情報のみを扱うということです。内部情報はなく、立体に見えても中身は空っぽです。つまり、形状をモデリングする際、面に厚みをつける、立体をくり抜く、といったモデリング手法が取れなくなります。

オブジェクトの作り方

Blenderには、以下のような基本形状のプリセットが用意されています。

  • 平面
  • 立方体
  • 円柱
  • 円錐
  • トーラス(ドーナツ形状)

これらを「Shift + A」で呼び出し、変形や結合を繰り返してモデルを作成します。

デッサンを習ったことがある方ならよく分かるかと思いますが、デッサンの練習で一番最初に練習するモチーフも「立方体」「円柱」「円錐」「球」が主なものです。

3Dモデリングを学ぶ上で重要な考え方の一つに、「複雑な形状を基本形状に分解する」という手法があります。例えば、立方体、円柱、円錐、球といった基本形状は、どんなに複雑な物体でも分解すればこれらの形状に近づけることができます。

特に人工物(家具、家電製品など)は、これらの形状を組み合わせることで作られていることが多く、モデリングの基本となります。今回制作するモチーフも、これらの基本形状を組み合わせて表現できる部分が多いです。

例えば、シーシャは「ボトル(円柱)」「ホース(円柱+カーブ)」「吸い口(円錐)」といった形状に分解してモデリングします。

⚠️
ただし、人間を含む動植物や布のような柔らかい素材など、自然物やエルゴノミクス的な人工物はこの限りではありません。これらは不規則で複雑な形状を持ち、Blenderでのモデリングにも別の手法(スカルプトモードや布シミュレーションなど)が必要です。

このように、基本形状を活用することで効率的にモデリングを進めることができます。まずはシンプルな人工物から始め、自然物や複雑な形状に挑戦する準備を進めましょう。

Blenderでは、あらかじめ用意されているプリセット形状に基づき、様々な変形操作を組み合わせて、目的の形状に近づけていきます。以下に、基本的な変形方法の一部をご紹介します。

1つの頂点を動かす。

複数の頂点を動かす。

回転させる。

面を縮小する。

面を差し込む。

角を丸める。

面を消す。

メッシュの境を増やす。

まとめ

これらの基本操作を組み合わせることで、複雑な形状でも効率よくモデリングが進められます。最初は基本形状を簡単に変形させる練習をしてみてください。慣れることで、思い描いた形状をスムーズに作成できるようになります!

次回は基本的な操作方法を詳しく解説します!お楽しみに!

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Hirasawa slash forward icon Designer

2023年から新卒入社したデザイナーです。スキルはまだまだ学生レベルの為、謙虚な姿勢且つ何でも吸収スポンジ精神で日々の仕事に挑みます。